NBソリューション・Amazonビジネス共催セミナーレポート
今こそ革新! 調達プロセスの効率化
~スムーズなAmazon連携を実現! ペーパレス化への道筋~
2024年7月26日。連日続く猛暑にも負けず、ご参加いただいた皆様のご協力により大盛況のうちに無事終了いたしました。
今回ご登壇いただいたのは、今年度からDr.Budgetを導入した神戸学院大学様と
2022年開催の共催セミナーにてオンライン登壇していただきました阪南大学様。
近年課題となっているペーパレス化へと踏み切った2大学様から
調達業務はどのように変化したのか、実体験を交えてお話いただきました。
Q.1 予算管理システム「Dr.Budget」の導入に至った経緯と選定理由は?
「電子化をキーワードに、システムの思想が一番近かったのがDr.Budget」
【神戸学院大学 財務部財務経理グループ 平野 浩行 様】
本学での調達システムの更新時期となり、前システムは完全紙媒体でのやり取りを想定して設計されたものだったため、コロナ禍にあったことも踏まえ電子化をキーワードに、3つの課題がありました。
・教員が学外から申請できるシステムの構築
・電子帳簿保存法への対応
・大学全体でDX化を進めて業務を効率化したい
候補はいくつかありましたが、前システムが各ユーザーで請求書、納品書、見積書を集めて調達発注(勘定科目等の選択)までしていたため、従来までのシステムの思想に近い方がスムーズに移行ができると考え、また本学ではすでにAmazonビジネスを法人利用していましたので、Amazonビジネスと連携もできるDr.Budgetであれば利便性向上が見込まれると選定しました。
Q.2 「Dr.Budget」導入とAmazonビジネス連携をしてからの業務の変化や、利便性の向上は?
「課題はあるものの、結果として導入前よりも立替払いが減った」
【神戸学院大学 財務部財務経理グループ 遠藤 結那 様】
Amazonビジネスを単体利用していた頃は教職員がカートインし、予算管理をする調達管理システムへ入力、紙に出力したものを経理へ提出して決裁し、決裁が終わったものから経理が承認をしていました。現在ではDr.Budget上で教職員がカートインと調達入力を同時にでき、承認までのフローも短く、スムーズに発注ができております。しかし、請求内容の確認や支払いまでの数字の突合作業が上手くいかず、現在の課題となっております。
連携に合わせて図書の購入もAmazonビジネスで購入可能になりました。元々立替払いを減らすのが狙いでしたが、Dr.Budgetと連携後は承認もスムーズにできていることから教職員の利用度も上がり、結果として導入前より立替払いも減りました。
教職員からの発注方法の問い合わせもありますが、対応後は「手順を覚えてしまえば以前より楽になった」との声をいただいております。
Q.3 「Dr.Budget」導入を機にペーパレス化をした経緯と反応、ペーパレス化後の業務内容の変化は?
「DX化推進の動きでペーパレス化へ。手探りしながら効率化を目指す」
【神戸学院大学 財務部財務経理グループ 栗原 育美 様】
今までの運用に合わせ、紙での運用、紙と電子の併用、電子のみの運用とパターンを3つ検討しましたが、電子帳簿保存法も施行され、世間的にも学内的にもDX化を推進していこうという動きもあり、システムの導入を機に電子化も進めることにしました。一部の部門を除き、請求書、見積書、納品書等ほぼすべての書類を電子化しています。紙なのは銀行振込依頼書でAmazonの納品書は紙で受け取りスキャンをしています。
今までが紙で対応していたので、現状では目に見えて改善・効率化したとはまだ言い難く、手探りで効率化を進めております。電子化にあたり事務部署にはスキャナーを用意したり、教員の方には写真での添付をお願いしたり、お持ちのスキャナでPDF化をお願いしています。一部の教員からは、すべて電子化はできないとの声もありましたが、今のところ大きな混乱もなく進められているかと思います。
経理業務はふたつのキャンパス間で行っていたため、従来までの大量の紙でのやり取りや、あの書類はどこか?と探していたことがなくなり、書類の管理もしやすくなったので、その点はすごく改善したと思っております。
Q.4 Amazonビジネス連携によって業務変化と、コスト削減の効果は感じられたか?
「立替払いも精算業務にかかる時間も大幅削減し、コストダウンは確実」
【阪南大学 法人部施設課 井上 敦友 様】
元々Dr.Budgetは導入済みで、Amazon連携は2021年度に事務局での利用を開始しました。連携前はDr.Budgetの調達伝票で起案されたものを、施設課の調達担当者が複数サプライヤーから見積を取り金額を比較して発注していたので、担当者の業務スピードに依存していましたが、連携後は発注業務にかかる時間が大幅に削減されました。
2023年度からは教員の利用を開始。教員研究費の物品購入は立替払いが大半を占めており、その精算業務に担当部署が多くの時間を割いていました。Amazonビジネス連携後は教員もスムーズに利用しており、一年で立替払いも大幅に減りました。
連携前の2020年度と予算分析を比較したところ、購入内容と件数に差異はあるものの、購入件数が増加している一方で約950万円の削減となり、人件費も含めてコストダウンは確実に図れたと思っています。
もし、Dr.Budgetを辞めて以前までのやり方に戻すとなればクレームが出ると思うので、それぐらい教職員にとって身近になっている状況です。
Q.5 ペーパレス運用における問題点や、これからペーパレス化を検討している方へのアドバイスは?
「プロセスは大幅に効率化。一方、適正性のバランスをどう取っていくか」
【阪南大学 法人部財務課 鹿目 明義 様】
2023年度から決裁区分を見直しました。支払いに関する決裁は原議書で処理をし、Dr.Budgetの伝票に関しては支払処理のみを行うように切り分け、各部署における課長の承認を受けた後は財務課に回るフローにした結果、処理がスムーズになり、伝票起案から決算書に落とし込むプロセスは大幅に効率化しました。
しかし、システムというよりは本学の問題としてなのですが、起案した伝票を各部署でチェックするにあたり、部署によってはチェックが雑になっていると思う場面も増え、伝票がスムーズに回る分、最終的に財務課での伝票チェックにおける負担が増していると感じます。効率化と適正性のバランスの取り方をどうするかが今の問題点としてあります。
また今後の課題としては、教員研究費等の支払いに関しては一部において紙での運用もしておりますので、さらに電子化や効率化を進めていくために、様々な意見を取り入れつつ改善したいと考えております。
ペーパレス化の検討にあたり、本学でもDr.Budgetを導入するまでは、なんの疑問もなく紙での処理が当然だと思っていました。けれど、当然だと思っていることを「再検討できるのではないか?」と気付けるよう、アンテナを広げられたらいいかなと思います。
新しいシステムを入れたり、新たなことを始める場合、全員賛成というのは難しいと思います。様々な反対の声も出ますから、そこは丁寧な説明に努めつつ、最終的には責任者がトップダウン的に決断して進めることも必要かと思います。
前回の共催セミナーの際、ご参加者様から「次回はぜひ関西での開催をお願いします」とのご要望をいただき、今回の大阪会場での開催へと繋がりました。
なかなか他の大学様の状況を知る術もなく、本セミナーのテーマとなる調達業務の効率化や、ペーパレス化についての問題を解決できる糸口を模索している大学様も
まだまだ多くいらっしゃり、神戸学院大学様、阪南大学様のお話を伺い、非常に有意義な時間を過ごせたとありがたいお言葉もいただきました。
情報交換会では、今回初めてDr.Budgetを自由にお試しいただけるデモ機を会場にご用意したところ、率先して動かしてみたり、興味深く操作画面を御覧いただけたり
この辺りの運用をどうしているのか?などの疑問や情報を互いに交流し合いながら、和気あいあいとした空気で和やかに本セミナーは幕を閉じました。
ご登壇いただいた2大学様に関しましても、それぞれの課題はまだある状況ですが、今後も使いやすく便利な環境をご提案できるよう務めさせていただきたく存じます。